ONEPIECE 742「いつでもキミのそばにいる」
前回からはじまったキュロスの回想。
思いのほか短くて少々面食らった・・・ww
今回のシリーズには
13年前のローとコラさんにまつわる過去話もまだ待っているし、
みっちり書き込むほどの重要性を持っていなかったということか。
ただ、あくまで私見だが、当初オダッチがプロットを立てた段階では
もう少し細かく描写するつもりだったであろう箇所も散見される。
それについては、後で少し触れます。
「野生に落ちるな、人間であれ」
これは、貧しいながらも平和なドレスローザを800年守ってきた
王族としてのリク家の矜持と言ってもいいかもしれない。
刃のない剣を用い、戦闘技術の練度を競う場としてのコロシアムに
辛うじて居場所を見つけていたキュロスだったが、
コロシアムもまた修羅道に落ちた者の居場所ではなかった。
その場でさえ牙を剥くことをためらったキュロスはもはや”獣”ではない。
殺人を犯した自らを呪い、”獣”と卑下したキュロスだったが、
リク王によって、長い心の檻から解き放たれた。
リク王軍軍隊長に就任したキュロスとスカーレットの出会いは最悪だった。
ちなみにスカーレットの6歳年下の妹ヴィオラは
当時10歳にしてすでにギロギロの実の能力者。ってか、ヴィオラ29歳か・・・
それにしても、スカーレット・・・・
想像していたより全然聡明さに欠ける女性だったわ
事の真相をどれほど検証したのか、
相手の立場もわきまえず、部下たちの面前で嫌悪感丸出しの罵倒の嵐。
かと思えば、
命を救われ、その際、キュロスの献身と無双ぶりを実感するやいなやの
猛烈アピール。
あげく・・・
第一王女の自覚も、国民を欺く罪悪感もまるでないのか
まさかの平民へドロップアウト。
二人のためとはいえ、それを受け入れるとは、なんというリベラルな王家かww
国民には愛されていたようだが、
「立派な女王」には、どうせなれなかったと思うぞ。
かくして10年前、縛り付けられた左足を自ら斬り落とし、
ドフラミンゴに飛びかかるも、シュガーによってオモチャに変えられ、
辛うじてリク王は救いだしたものの
目の前で愛するスカーレットを失った。
しかも、今まさに死にゆく妻にはキュロスの記憶が無いという
最悪のオプション付きで・・・
どなたかは存じませんが・・・ 悲しすぎる。
カタカタ震える乾いた効果音が悲しみをさらに助長する。
キュロスはこの直後、努めて冷静にレベッカのもとへ現れるのだ。
ツラいのぅ・・・
今回のサブタイトル「いつでもキミのそばにいる」とは
人に愛されること・人を愛することの幸せを享受する資格が
自分にあるのか今でも自問しながら、
自分の生来の粗暴さが、それを壊してしまわないか
不安でたまらないキュロスが精一杯踏み込めるスタンスだった。
生身のときは、恐れ多くて素手で触ることもできなかったレベッカに
ブリキの身体でようやく触れることができたキュロスは
変わらぬ意志を歌に唄う。
この不器用なキュロスが、
どんな思いで滑稽なオモチャを演じていたかと思うと
もう全米が泣けるレベル。
一方、
半ばやけくそで、死して伝説を残す方にベットしたウソランドは
すでに虫の息だった。
100tハンマーなどを駆使した形跡が伺えるが
どれほど善戦したかは推して知るべし・・・
前回はプラタナス手裏剣でトレーボルの身体を切断したかに見えたが
その後の顛末は語られず、
トレーボルはまったく平気の平左だ。
能力からして、ベタベタの実は超人系パラミシアだと
僕は思っているので、斬られて平気な説明が少しでいいからほしかった。
まぁ、顔の位置も定まっていないので、見えてる姿がすべて生体とは限らない。
本体じゃないところを切断した・・・ってところだろうか。
そして激辛偽装グレープを「毒」だと勘違いしたシュガーは
これをウソップに。
食べれば100%気絶、36%が死にかけたとの検証結果に偽りなく
ウソップは、悶絶?…というレベルの言葉では言い表せない、
この世のものではない衝撃を、この世のものならぬリアクションで表現した。
毒を食って苦しみ血を吐いて死ぬと思っていた相手が
突然奇声とともに異形の姿にメタモルフォーゼしたのだ。
うん、びっくり箱みたいなモンだね。
その衝撃・恐怖に、われらがシュガーたんは卒倒した。
そう、卒倒した。なんというタナボタ。
キタキタキタキタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ッ!!!
ここからオモチャ達のターンですね。
余談だが、
シュガーの左目ってレンズ入ってたんだね。
ペインティングかと思ってました・・・
ところで、素朴な疑問。
他人が心に隠した記憶や感情を見ることができる「ギロギロの実」の能力。
ドレスローザの解放・リク王家の復権を目指す
謎のオモチャ率いる「リク王軍」の存在を知ったなら、
彼らが本当に信頼に足るかどうか、また反抗に至った動機は何か。
ヴィオラは、持てる能力の限りを尽くして調べるのが道理。
でなければ、10年間ドフラミンゴに従ったふりをし手に入れた
ファミリーの幹部の立場を今捨てる決断はできない。
いくらレベッカを育てた恩人だとはいえ、
当然、オモチャの兵隊の頭の中だって覗き見ないはずはない。
さらにヴィオラはシュガーの能力を知っているのだから
「覚えてはいないが、オモチャの兵隊はレベッカの父親」と
すでに認識していて然るべきなのだが、そこのところどうなんだろう。
てか、それ以前に、
ドレスローザにはシングルマザーが非常に多いはずだ。
よくある事でしょ
よくある事だから一般の国民は不思議に思わない(と仮にしておく)。
しかし、シンママが異常に多い状況が、シュガーの能力のせいだと知っているなら、
レベッカは私生児ではなく、その父親もまたオモチャに変えられたのかもしれない
と疑ってかかるのが当然だ。
もし兵隊の頭の中を見れば、彼の素性も受け入れられるはずだが
今のところそういう描写はない。
冒頭に書いた、キュロスの過去編を
もう少し細かく描写するつもりだったであろう箇所ってのですが、
一番気になったのは、キュロスが左足を自ら斬り落としたくだり。
能力者でもないキュロスの、それもわざわざ左足だけを
海楼石の鎖で拘束したのが不自然すぎて意味がわからない。
(能力者以外に対しても、通常の金属製の鎖よりも堅牢だったっけ?
オモチャの姿でスカーレットたちを庇いに出てきたときに、
まだ足があるようにも見えると書いたのが盛大に外れたのは、
予想の範囲内だったwと、一応言っておくけど、
それを差し引いても、今回のは取って付けた感がハンパない。
なにか、足を失うイベントがちゃんと別に用意されていたが
省略されたような気がしてならないのです。
足を自ら斬り落とすという点では
両足を斬り落としたシキという前例があるので
「壮絶さ」という点でもいまひとつ・・・
速報のコメントでいただいた意見のように
トレーボルの足枷となにか関係があれば面白いですね。
また、
予選Bブロックのリッキーを見て
あんな戦い方をする剣闘士を昔見た気がする…
と言っていたオヤジがいましたが
これは紛うことなきリッキー(正体はもちろんリク王)その人でした。
三千戦無敗の英雄キュロスに対し、唯一傷を負わせた男。
あらゆる人がキュロスの記憶を失くした中でも、
たった一日だけ彗星のように現れた謎の強者のことは記憶に残っていた。
しかし、
鉄仮面にドクロマントという当時と全く同じ特異な出で立ちを覚えていないのに
戦い方だけ覚えているというのは、不自然で少し腑に落ちない。
「ここで見た覚えがない」とはっきり言われたことに
「いや、昔だが、確かにここで見た気がする」と返していないことにも
妙にファジーな印象を、あえて持たせている気がする。
これは「その人のことが記憶から消える」というシュガーの能力が
はじめのうちは明確に定義付けされておらず
似た戦い方をするキュロスのことを指していた可能性と
そうとも受け取れるようにあえて表現を曖昧にした可能性がある。
あと、ひょっとすると重箱の隅かもですが、
コロシアムの地下
王宮の地下・・・・・あれ?
「闇の工場」はコロシアムの地下って言ってたはずなのに
いつの間にか王宮の地下の「秘密の工場」目指してますね。
以前、「闇の工場」「秘密の工場」は別々に存在して
巧妙にミスリードされているんじゃ・・・と疑ったことがありましたが
・・・これも、まとめられちゃった・・・のか??
こういうところから、
エピソードの省略やそれによる細部の変更があったんじゃないかと
考えさせられるのです。
Comment
あっっ!コロシアムとオモチャの家って目と鼻の先!!王宮はオモチャの家の高台に位置。こんなにも近かったんですね。あと,ローがいた!!キュロスの脚,治せるかもしれませんね。
フランキーサイドは人間に戻った元オモチャたちv.s.幹部たち?それでも幹部たち優勢な気がします。マッハバイス,デリンジャー,そしてハードボイルド。助っ人の割込がある?!勘十郎かな。。。特別幹部シュガーた○を撃破したとは言え,最高幹部3人は健在。ここをどういった演出で倒していくのか気になります。(特にトレーボル。おそらくロビン+ウソップv.s.トレーボル)ハナハナv.s.ベタベタ。可燃性のベタベタを燃やす算段かな…
麦わら海賊団,まだまだ伸びしろがありますね。新世界に入って初めてコテンパンにされたメンバーたちを見ました。さすが新世界。
ウソップ触れられたのに
おもちゃに変わらなかったのはなんでだろー
不思議だな~
キュロスの脚は、ローが治せるはずです。
となると、シャンクスもゼフもとなってしまいますけど…。
今回はきっと状況的に考えても、治してくれるんじゃないでしょうかね!
733話に王宮,オモチャの家,交易港の位置関係が書かれた図があるのですが,その図にある工場の上の建物がコロシアムではないですか?
キュロスに鎖。
ドフラが能力でキュロスを動かなくする
→同じく能力でその辺の兵隊を操る
→その兵隊がキュロスに鎖をつける
一応鎖をつけるのは可能かな。
皆さん考察鋭いですね。
後、サボのセリフ「いいね」は、バージェスにコロシアム破壊させる算段だと思います。
コアラとサボが既に爆弾か何かをしかけていて、バージェスや自分の攻撃で破壊、地下の工場を住民や海軍に晒すのも目的なんじゃないかな、と。
にしてもウソップはガチバトルで勝って欲しかった…まるで成長していない…
>圧力鍋さん
まったくです!鋭い!!
あ、書き忘れましたがあと工場がコロシアムの地下という件
ベタベタを伸ばせる範囲がどこまでか分かりませんがコロシアム地下に落とされたコロシアム出場者達をトレーボルが王宮地下の幹部塔からビヨーンと捕まえてたのを考えると以外と王宮地下とコロシアム地下は場所が近いのでは?それか工場はコロシアム地下でもまずシュガーたんをどうにかしないとだから先に王宮地下の幹部塔に向かったとか
800話ちょうどに書きたいことが決まってるので、それに合わせて略せるとこは省略してるんでしょうね。
そんな気がします。
>能力者ばかりのドフィファミリーで誰がキュロスに海楼石の錠をつけたのか…
wwwまったくだ!!
それにZ先生も加工が大変と言っていたしインペルの牢の檻も全部海楼石らしいので相当堅固なのでしょう
しかし能力者ばかりのドフィファミリーで誰がキュロスに海楼石の錠をつけたのか…
キュロスの剣を取り上げなかったのは、キュロス自身に処刑をさせたかったんじゃないかなーと思いました。それを拒否したから、ドフラミンゴ自らが手を下そうとしたのかなと。・・・あくまで妄想ですけど。
妄想続きですけど、キュロスほどの腕だと普通の拘束じゃ駄目だから海楼石の錠にしたのだと思います。ダイヤモンド級だし。
それと、ヴァイオレットの能力は確かに疑問ですね。20年近く手下だったのなら、考察のような思考にたどり着きそうな気がしますが。良いように解釈すると、次の2つが思い浮かびました。
【1】「おもちゃにされる」と「記憶がなくなる」という事象が「リンクさせられない」という力もセットになっている。
【2】リク王軍の存在は知ってるものの、結局、関係者に接触できなかった。
どちらも妄想なので、読み流しください笑。
すっかり忘れていました。ありがとうございます。
>(能力者以外に対しても、通常の金属製の鎖よりも堅牢だったっけ?
ダイヤモンド並みに硬いという説明があり、エニエスロビーで海楼石手錠を嵌められたゾロが、手錠ではなく手首の方を斬ろうと(そして手錠を抜いてチョッパーに速攻で縫い合わせてもらおうと)するぐらいの硬さってことですよ、確か
鉄をぶった切るレベルの非能力者にも物理的に有効な強度
次巻のSBSでドレスローザの地下世界についての説明がありそうですね。マッハさんの説,有力そう。コロシアムと王宮の地下が繋がっているとしたら,いつの間にかリク王がコロシアム地下から,スートの間に移動しているところにも合点がつきます。トンタッタは“広い意味で”「コロシアムの地下(=王宮の地下)へ!」と言ったかもしれませんね。けど,これは余りにも読者にはわかりづらい……
トレーボルがシュガーに「お前の存在には誰も気がつかない」のセリフの真意がわからないまま,シュガーた○,やられてしまいましたね。いつかの推測に書いていたかもしれませんが「シュガーが自分自身をおもちゃにして,存在を消す。」という展開がなかったのがさびしかったです。またそのセリフが展開していたときのバックが真っ暗だったのにも何かしらの意味付けがあったと思いますが,スルーされそうですね。。。
ところでチンジャオ,今頃一人でポツンとコロシアム地下にいるのかな(笑)なぜチンジャオはオモチャにしなかったのか…こういった細かいところ,すっごく気になります。ハクバの暴走……
ドレスローザの地下世界は非常に広いので、王宮の地下であると同時にコロシアムの地下でもあります。それほど不自然でもないんじゃないでしょうか。
片脚の兵隊さんは,シュガーの能力が解除されたら「片脚のキュロス」になっちゃうんですよね。ワンピースの世界ではゼフが片脚。何の根拠もないので恐縮ですが,キュロスの片脚は治るのではないかと思います。切られたキュロスの片脚を薬品で保存してある(←これは…ないかな。)ただ,チョッパーがこの場にいないんですよね。
トレーボルの片脚とベタベタの能力でキュロスの脚がくっつく?!ドレスローザ編が終わったときに,キュロスに両脚があるのか,ないのか…。
管理人さんの仰る通り,キュロスの片脚だけに足枷をするのは不自然すぎると思います。僕がドフィーだったら,イトイトの実で動けなくするなと感じたからです。
確かに、回想シーンはちょっと後付けを感じました。普通なら鎖でつないだときに、剣は取り上げるだろうなとか。
ウソップは、さすがにあの2人に勝つのは難しいので、あんな勝ち方もありでしょうが、自らの意思で勝っていないというのは、本人的にどうなのかなあとは思います。
それより、おもちゃが元に戻るとして、人々のおもちゃとの記憶はどうなるのでしょうか。おもちゃにされたことで、その人がいないことになり、人々から記憶がなくなるということですから、逆に、おもちゃがなくなってしまえば、おもちゃとの記憶もなくなってしまいます。
そうすると、レベッカと兵隊さんが過ごした日々の記憶は、きっとなくなってしまうでしょう。そして、急にキュロスが目の前に現れて、「お父さんだよ。」と言われても、本当に過ごしたのは、幼い頃だけですから、「え??」となってしまいそうです。何とも切ない話です。